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トランプタワーの静寂〜あの人の思い出

トランプさんがアメリカの第45代大統領に就任されて以来、いわゆるトランプさん関連建造物に宿泊した経験を語ることは恥ずべきことになってしまいました。(本当!?)私も一度だけですが、関連建造物に宿泊したことがあります。

初めてのハワイでしたが、何故そこを選んだのか、今となっては覚えていません。トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキ・ビーチウォークが正式名称。35階から38階が“トランプ・フロアー”と命名されている特別階。その時は何も感じなかったのですが、今となっては凄い自己顕示欲というか、何と言うか。だって、特別階に自分の名前だもん。3ベッドルーム、3バスルーム、フルキッチン。そうそう「den」 もありました。デンってなんだろうと思ったのも懐かしい。野獣のねぐらとか巣、ほら穴という言葉から転じて、男性の私室、書斎とか仕事部屋ですかね。

いいホテルでしたよ、快適快適。パチンコ屋さんがスポンサーの某リゾート探訪番組 (私、好きな番組です。誤解の無いように。)ではないですが、シャワーの水量が超たっぷりだし。1階にはステーキ屋さん、日本にも上陸したBLTですね。アメリカのステーキらしい美味しさでした。気が効くコンシェルジュだったことも覚えています。

さて、丁度、ホテルに到着した時のことです。ちょうどアノ方がチェックアウトされるところでした。ワイキキのトランプタワーのいわゆるフロントは6階なので、1階は玄関。私はちょうど車から降りて、ベルボーイの皆さんが荷物を降ろしてくださったいたところでした。あの方がどのような服装でいらっしゃたのかは、よく覚えていません。しかし、ベルボーイの皆さん、見送りのマネージャークラスの人々、皆さんが一言も発せず、緊張が辺りを支配しておりました。そこに違和感を感じたので、なんでだろうと思っていたところに、あの方が登場されたのです。そして、お迎えのリモに乗り込みました。あの特徴あるお声で、「それじゃ」とおっしゃっていたのが聞こえました。真空地帯のように無音状態に感じられていた、ハワイのワイキキのバブリーだけど、ホスピタリティのあるスタッフがいっぱいの玄関に、突然、音が戻ってきました。南国のノイズ。

思い起こせば、私があの方をホテルのロビーでお見かけするのは2回目。前回は帝国ホテルのロビー。コンシェルジェのデスクの前で、バスローブにスリッパ姿。心なしか濡れ髪。しかし、ステッキを振り上げ、「お前、殺すぞ」と叫んでいらっしゃいました。不思議だったのは、コンシェルジェやおそらくデューティーマネージャーらしき人々の、動じる素振りがまったくなかったこと。なんだったのでしょう。

最近のことですが、あの方の奥様、実は夫よりもパンクの魂をお持ちの素敵な女優、樹木希林さんが雑誌のインタビューでおっしゃっていた言葉にはたと膝を打ちました。「あの人は、飛行機のCAさんとホテルが大好きなんです」。なんと!そうか、私と同じなのだ。運命の邂逅かしら。ロッケンローラー内田裕也さん、どうぞお元気で。ニ度あることは三度ある。今度は機内でお目にかかりたいです。