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日記はだれのためー松任谷さんのことから

「散財日記」という連載が雑誌MEN'S CLUB(最初はMEN'S EXの連載だったかと)にあります。そうユーミンこと松任谷由実さんの夫、アレンジャー、キーボーディストの松任谷正隆さんがお買いになったものを報告されている企画です。(現在は「[続]僕の散財日記」というタイトルです。)さまざまな特注の結果などを、ご自身の反省を虚心坦懐にさらしていらっしゃいます。実に同意できることが書かれています。尊敬の念を禁じ得ません。このブログ、松任谷さんの「散財日記」を意識しています。

僕の散財日記 (文春文庫)

僕の散財日記 (文春文庫)

 

 

ご夫婦のファンである僕は、自分のクルマ遍歴の中に、松任谷さん(以降、正隆さんを「松任谷さん」、由実さんを「ユーミン」と書かせていただきます。)と同じクルマを所有し、そして同じような苦労を経験したというという歴史があります。そのクルマは、アルファスッド(Alfasud)。名前に「スッド(Sud)=南」と有るように、アルファロメオが貧しいイタリア南部のためにナポリ郊外の工場で生産したクルマです。スバルの水平対向エンジンをパクったエンジンを搭載していました。音はよかったですよ。しかし、品質は最低。鉄板の錆加工が悪くて、すぐに錆びる。もちろん僕のスッドも、たしか2人くらいの人の手を経たクルマで、比較的状態はいいクルマでしたが、後ろの窓枠あたりからの腐食が酷く、雨漏り対策に追われておりました。ほかには東関東自動車道を驀進していて、小雨が降り始めたのでワイパーを動かしたところ、突然ワイパーの根元が折れ、カランカランと音を立てて、ワイパーが吹っ飛んでいったことを覚えています。見事にワイパーの根元が腐っておりました。このクルマで、クルマに自分で手をかける練習と思っていましたが、あきらめました。世界的にも生産台数は多いが、残存台数の少なく。デロリアン(De Lorean DMC-12:ご存じBack to the futureに登場するタイムマシンになったクルマです)などと同列の欠陥車の筆頭に挙げられています。僕のアルファスッドは、忘れもしない、イギリスのダイアナ妃の来日(5/8)をあさってに控えて、警備の警官がたくさん立っていた1986年5月5日、青山通りの追突事故で廃車になりました。事故直後、路肩に移動させた直後に警官が寄ってきました。「早めにどけてね」と頼まれことを覚えています。

職権乱用 (CG BOOKS)

職権乱用 (CG BOOKS)

 

 

僕は年齢的にも、まさにユーミン世代です。僕的には以下の5枚のアルバムの時期が絶頂期です。松任谷さんが、音楽制作にシンクラヴィア(Synclavier:現在のデジタルオーディオワークステーションの元祖)を使いはじめた頃です。この時期、コンサートの切符を手に入れるために東奔西走したことを覚えています。逗子マリーナのサーフ&スノーにも行きましたし、代々木体育館でのコンサートにも連続で通いました。以下の5枚のアルバムの収録曲は、今聴くと、ちょうどバブル期の終わりと重なって、いろいろことを思い出させます。僕はいつの間にか、卒業してしまったのでしょうか。

1987年12月5日発売「ダイアモンドダストが消えぬまに」

1988年11月26日発売「Delight Slight Light Kiss」

1989年11月25日発売「LOVE WARS」

1990年11月23日発売「天国のドア」

1991年11月22日発売「DAWN PURPLE」

松任谷由実40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。 (通常盤)

松任谷由実40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。 (通常盤)

 

 

由実さんはテレビに出て歌うことが当時は滅多になかったのですが、テレビでのお姿で覚えているのは「天国のドア」に収録されている曲「SAVE THE SHIP」が流れた番組「ロシアの風・宇宙の風・ユーミン」(凄え題名!)。この曲が、TBSの創立40周年記念事業として宇宙にジャーナリストを送る「宇宙特派員計画」のテーマ曲でした。社内選考の結果、記者の秋山豊寛さんが選ばれ、日本人初の宇宙飛行士として、8日間宇宙に滞在しました。その番組の中で鮮烈に覚えているシーンがあります。秋山さんの乗ったソビエトの宇宙船TM-11がカザフスタンのバイコヌール(別名、星の街)宇宙基地から打ち上げられる光景を見ていたユーミン。発射台を望む丘の上で、発射の際の周囲を支配する絶対的な轟音の中、何故かユーミンは絶叫していました。そうせざるを得ないという言わんばかりに叫んでいたことだけを覚えています。(この企画でTBSはソビエト連邦宇宙総局におよそ20億円支払ったそうです。)
NHK技術研究所の8K公開で、宇宙船の打ち上げを記録した8K映像を見たことがあります。その轟音を聴いた時に、なんとなくユーミンの絶叫に至る気持ちの一端が理解できたように思いました。


毎度脱線しますが、ある仕事でこの当時のバンドのギタリスト市川祥治さんとご一緒しました。駐車場でいらっしゃるのを待っている時、アルファ164が入ってきたのを遠くに見て興奮しました。当時のコンサートパンフレットにあったメンバー紹介の写真は、それぞれの愛車を並べてのものでした。それを見て市川さんがアルファ164にお乗りと知っていたからです。松任谷さんも164をお持ちだったと記憶しています。安心して乗ることが出来るアルファロメオが登場した頃の思い出です。

 

僕は、いわゆる日記文学が好きです。歴史年表を眺めるのも大好きです。最近の雑誌にたまにある、著名人の今月の日記みたいな企画も大好きです。でも、日本古来の日記文学、例えば「土佐日記」」やら「紫式部日記」などは、学校の古典の授業でカバーされたわずかな部分しか触れたことはありません。傾向として昭和初期以降の人か、現代の人のものに惹かれます。そんな中で、僕がたまに読み返す日記がいくつかあります。

1930年代の代表的なコメディアン古川ロッパの日記「ロッパの悲食記 (ちくま文庫)」(食に関することだけをまとめたものです。日記は年別に出版されています。)は、戦前から戦後にかけて、どんなものが食べられていたか、食べたかったのか、つぶさにわかって興味深い本ですが、題名の通り、ちょっと悲しいというか侘しくなる日記です。

今や陶芸家(ご先祖がご先祖ですものね。家に持っていらっしゃるものが国宝級。それを子ども頃から見て育っているし。)として名を成していらっしゃる第79代日本国首相の細川護煕さんが在任中に書き留めていた日記「内訟録―細川護熙総理大臣日記」は、冒頭のマクベスの引用から始まるところが気に入っています。

第43代アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)時代の第20代国家安全保障問題担当補佐官、そして第66代国務長官と8年に渡り外交の重責を担ったコンドリーザ・ライス(Condlerzza Rice)さんの「ライス回顧録 ホワイトハウス 激動の2920日 (No Higher Honor: A Memoir of My Years in Washington)」にある2001年3月11日の記述に当たると、この分厚い本を読んだ甲斐があったと感じます。

日記は記録と言えば記録だし、客観的かと言われれば、そうでもないし。事実というより、その人が見た、言い方によってはバイアスのかかった“事実”が遺されている文章です。芥川龍之介の「藪の中」ですね。一方で例えばアメリカ人は記録好きなのでしょうか。第二次世界大戦時には、日米の戦いをカラーフィルムで記録するチームを編成され従軍していたり、大統領が重大な判断を下す時に必ずカメラマンが入って、写真が撮られたりします。どれも公開前提の公的記録としてのものでしょう。(そして政府要人は、私人に戻った後、日記や回顧録を出版して、その公的記録に多元的な視点を加えます。莫大なお金と引き換えに。)

松任谷さんの著書「僕の音楽キャリア全部話しますー1971/Takuro Yoshida-2016/Yumi Matsutoyaー」は、当然ながら「散財日記」と異なる雰囲気で、ご自身やユーミンの音楽活動のハイライトや、悔恨が混じった思い出もインタビュー形式で綴られています。日記ではありませんが、一種の編年体で離れて行った人や失敗したこともサラっと書いてあります。あくまでも松任谷さんの目を通して見た事実として。

僕の好きなユーミンの曲に「時はかげろう」という曲があります。時(時間)はすぐに移ろい逝くもの。日記は自分が何かを感じ、経験したことをそこに流れる時間とともに定着させたくて書くものだと思います。でも記録されたとは言え、その儚げなことは変わりません。誰かが定着させる努力をしないとすぐに逝ってしまう時。人の日記に惹かれる理由はそこにあるのかもしれません。

僕の音楽キャリア全部話します: 1971/Takuro Yoshida―2016/Yumi Matsutoya

僕の音楽キャリア全部話します: 1971/Takuro Yoshida―2016/Yumi Matsutoya

 

 

訪れるべき、とは?〜長逗留の憧れ〜人も宿も進化する

「アイディアは移動距離に比例する」という言葉。最近ではハイパーメディアクリエーター(というより女優の沢尻エリカさんの元結婚相手という“肩書き”のほうが有名な)高城剛さんの言葉となっていますが、僕は、イタリアの小説家、哲学者ウンベルト・エーコ(Umberto Eco)の言葉を高城さんが引用したように記憶しています。(でも、このエーコの元の言葉がどうしても見つけられません。エーコの著作全部を当たったわけではないのですが、いったいどこで語った言葉なのでしょうか。)

 

飛行機や新幹線などの高速で移動する交通機関だけではなく、ローカル線の各駅列車や地方都市のバスに乗っても、目にするものから連想して、いろいろなことを考えます。確かに、僕程度でも何かアイディアが浮かびます。すぐに忘れてしまいますが。夢みたいなものですかね。
さて移動距離と言えば、旅です。毎年、夏休みにどこに行くか。何に乗って行くか。悩むのも楽しい。ANAマイレージを真面目に貯めているので、年末にマイル修行もしています。日帰りの石垣島(正確には羽田空港石垣島空港ー羽田空港)や札幌(羽田ー新千歳ー羽田)もそれなりに楽しい。今年16年目にしてやっと初めて、会員ステータスがダイアモンドになりました。うれしっ!

パラダイス山元の飛行機の乗り方

パラダイス山元の飛行機の乗り方

 

 

ジェット・セッター(Jetsetter)という言葉があります。タキ・テオドラコプロスというギリシア人の作家が「ハイ・ライフ」というセレブリティ・ライフに関するコラムの中で紹介し、世の中に知られた言葉です。飛行機(自家用機の場合多し)で世界中を飛び回り、夏はイビサIbiza:スペイン)、冬はグシュタード(Gstaad:スイス)などの観光地を訪れ、お金を使いまくる生活を送る人々のことです。時代がかった訳では「ジェット族」と称されておりました。タキ自身もセレブリティ。でも「セレブ」ではなく、まだ「上流階級」という言葉にリアリティがあった頃、1980年代の話です。(この本、今となっては昔の話、なのですが面白い本です。なかなか手に入りませんが。)

ハイ・ライフ (知恵の森文庫)

ハイ・ライフ (知恵の森文庫)

 

 

昨今、ジェット・セッターは絶滅危惧種で、どちらかと言うと、パーマネント・トラベラー(Permanent Traveler:またはPerpetual Traveler)という存在に、その立ち位置を奪われてきています。パーマネント・トラベラーは、各国に居住者として見なされない期間だけ滞在し、その国家に税金を合法的に支払わない、もしくは納税する額を最小にする方法を駆使しながら、世界を移動している人々です。税金逃れの富裕層という見方もあります。ジェット・セッターに比べると、ちょっとケチ臭くなった感もあります。

プライベートバンカー カネ守りと新富裕層
 

 

さて、冬もそろそろ終わり。そして間もなく、蟹、それもズワイガニのシーズンが終わってしまいます。その前にと、ズワイガニを食べるために北陸に参りました。当然、往復は飛行機。羽田から小松空港までは飛行時間1時間弱。前述のように、ANAマイレージのステータスがDIAになって初めての旅でした。搭乗ゲート通過の際の電子チケットの読み取り完了音(?)が、DIAは違うことを初めて知りました。

泊まった宿は山代温泉の「べにや無可有(以下、無可有と書かせていただきます)」さん。小松空港からクルマで30分、JR加賀温泉駅からは15分くらいのところにあります。橋立の鑑札付きの蟹をたんまり食べて、温泉に出たり入ったり(入ったり出たり?)の一泊二日。こちらには、今回も含めて、都合4回お世話になっています。90年代、00年代、それからここ最近です。同じ宿に何度か泊まると、その宿の“進化”を感じとることが出来ます。

毎度ながらちょっと脱線すると、何度も同じ宿に泊まるのも、意外に難しいものです。ビジネスホテルではないので、連れが必要ですから。
ずいぶん前ですが、箱根の強羅花壇(ごうらかだん)に一ヶ月の間に二度、泊まった時は、連れが違う人でしたので、初めてのフリをするのに大変でした。最近、三度目に宿泊したときは知らんぷりせずに、素直に過去の訪問歴を白状しました。また、北海道洞爺湖(とうやこ)の「ザ・ウインザーホテル洞爺」にも二度、泊まったことがありますが、同じ経験をしています。この時はなんとか誤魔化せたように思いますが。

今や、箱根を代表する宿となった強羅花壇の躍進は、本館を今の形にした1993年以来のことでしょう。前職がイタリア語通訳で、仕事柄、豊富な旅行経験を持つ、つまり「旅人」である、現在の女将である社長さんが手がけたそうです。わざわざ足を伸ばしたい宿を見てきた人が、わざわざ訪れたい宿を作ったのです。内装を建築家の竹山聖さんが手がけました。そして、無可有の女将がその写真を見て、1996年から始めたリノベーションのプランニングを竹山さんに依頼したのだそうです。ちなみに、僕が最初に無可有に泊まったのは、強羅花壇と同じ建築家が関わった旅館があるんだ、というくらいのミーハーな理由だったと思います。

最初の2回の宿泊について、実はあまり記憶がありません。ご飯がおいしかった記憶があります。確か、お部屋での食事、いわゆる部屋食でした。部屋食の利点は終始、部屋から出ないで済むこと。欠点はご飯の前後に部屋を片付けるので、なんだか落ち着かない時間が出来ることです。

で、ここ2年ですが、続けて宿泊させていただいて、無可有は無可有ならでは立ち位置にある、言い換えれば「無可有ブランド」が出来上がった、と感じました。上から目線で恐縮ですが、素晴らしい“進化”を見ました。システム上の違いは、特別室以外は部屋食ではなくなり、食堂での夕食、そして朝食となっていたことくらいでしょうか。でも、根本的に無可有は、単なる温泉旅館ではなくリゾートに進化していました。「リゾート」という言葉の原義「何度も行く場所」というくらいに、次も訪ねたい、そして連泊したいと思わせる宿になっていました。旅の目的は、蟹を食べるためだけではなく、温泉に入るためだけではなく、べにや無可有を訪ねること。

働く皆さんのホスピタリティも特筆すべきものがあります。今回は、蟹剥きの極意を教えていただきました。来年は、蟹剥き1級のテストに挑戦しようと思っています。(注意:そんなテストはありません。そんな気持ちになるのです。あしからず。)

そうそう、連泊と言えば、最近では4泊した方もいるそうです。4連泊を受け入れるって、大変ですよ。夕食に同じものは出せないし。また料理と言えば、ベジタリアンのお客さまも受け入れ経験があるとのこと。宿としての確固たる意志が必要です。

べにや無可有も強羅花壇も、ルレエシャトー(Relais & CHATEAUX)という、フランス発のホテルとレストランの協会組織に加盟しています。世界60カ国以上、およそ550のホテルが加盟しているそうです。厳しい審査を経た加盟ホテルを紹介しているガイド本を読むと、次々と泊まってみたいと思わせる楽しい悩みを発生させます。

ガイドと言えば、ご存知ミシュランミシュランガイドはタイヤの販売促進のため、クルマで訪れるべきレストランを紹介したことが始まりです。そして、評価を表す星の意味は、最高ランクの三ツ星ともなれば、何かのついでに寄るのではなく、そこを目的地として、わざわざ訪れるべきレストランであるということ。訪れるべきとは、経験すべき場所ということです。

僕は湯治場への長逗留に憧れがあります。一度、やってみたい。温泉に好きなだけ入って、日がなうとうとして過ごす。これが具体的に、べにや無可有に長逗留してみたい、という憧れに変わりました。

アイディアは移動距離に比例するのでしょうか。証明したいと思います。

冬の散財感想戦 (3)靴編

映画「 64」、ご覧になりましたか。刑事上がりの広報官である主人公が、キャリアの県警本部長から靴の光り方が足りないので、嫌味を言われるシーンがあります。靴を自分で磨くのか、奥さんに磨いてもらうのか。はたまた、最近増えた、おしゃれ靴磨きさんに頼むのか。(このシーン、TV版にあったかなぁ。ピエール瀧さん、よかった。もっとも電気グルーブのステージの上の彼を見たことがあると、この人、テレビに出ていいのかしらと思う今日この頃です。)

64(ロクヨン)

64(ロクヨン)

 

 

64-ロクヨン-前編 通常版DVD

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64-ロクヨン-後編 通常版DVD

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さて、靴磨きを常習化するには、何が大切がご存知ですか。そう、マスト要件は靴を磨きやすい玄関です。長時間の作業に耐え得る環境が必要なのです。何せ、お腹が出ていると、前屈姿勢を長く続けるのは、とても苦しいので。残念ながら、僕の家の玄関はちょっと厳しい。もちろん、ご自分のdenで磨く方には関係ない悩みですが。よって、僕は靴磨き屋さんにお願いする一方です。

 

元々、靴を持ち過ぎなのでしょう。 ジョン・ロブ(John Lobb)を2足、WilliamとWilliamのブーツは東京で買いました。両方、黒。オールデン(Alden)のコードバンのチャッカーブーツを2足。黒は東京で買いました。茶色はハワイで買いました。ご存知かと思いますが、あの常夏の楽園に、よい革靴屋さんがあります。真夏のハワイ、冷房の効いた室内で、Aldenコードバンを試し履き。ちょっといいですよ。なんと言っても安いのです。ハワイで買うと。

Berrutti(ベルルッティ)を1足、これはカンヌで買いました。そして ジェイ・エム・ウエストン(J.M.Weston)を3足。この道に入ったきっかけは WestonのGolfのブーツを買ったこと。黒でした。1996年のことです。日本向けの特注品だったようです。2回直して履いてます。

1997年にパリで買い足した黒のGolfは、まさにハードフィッテング時代(注・僕的命名)のWeston経験でした。超ピッタリのサイズを出してきて、その上、ぐいぐい靴紐を締め上げてきます。この古のWestonのフィッテング、松任谷正隆さんや波多野聖さんこと藤原敬之さんも書いています。福田和也先生は買いてたっけなぁ。

 

贅沢入門

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「贅」の研究

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カネ遣いという教養 (新潮新書)

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僕の散財日記 (文春文庫)

僕の散財日記 (文春文庫)

 

 

履いて歩いた日、足が痛くなるだけではなく、途中で頭がクラクラするくらい痛くなりました。さらに靴擦れ。しばらく履かずに放って置いた程です。でも懲りずに、茶色のGolfをカンヌで2010年に買いました。パリで貰った、僕のサイズを書いたカードを持っていたので、それを見せて書いました。この茶色はあまり問題なく、足に合いました。違いはなんでしょうかね。最近のパリのWestonでは、厳しいフィッテングでは無くなったようです。

前口上が長くなりました。夏以降に買った靴は5足。意外に少なく。その中で、旅のために(と称して)買った靴が2足あります。

Westonのハードフィッティングからの連想ではないのですが、日本人は足が浮腫みやすいと言いますが、朝と晩を比べても、足の大きさがずいぶん違うのでしょうか。なので、飛行機から降りる時、堅い靴だと入らない。着陸姿勢に入るタイミングで必ず靴を履くようにしているのですが、その時に全く足が入らないことがあったのです。旅のお供として最近は、ニュー・バランス(New Balance)の1400を履いていました。United Arrowsの創業25周年記念版モデルでナチュラルブラウンです。グローブのようなよい革です。

でも、毎度の悪い癖で、移動用の靴を1足増やしたいと思っていたら、GQで「羽(PLUME)」という名前の靴を発見しました。元々はリボンメーカーだったスイスのブランド、バリー(BALLY)の靴。どちらかと言うと、自分の年では選ばないブランドだと思っていました。でも足を入れたら最高!(自分でも分かっている悪い癖なのですが、試着または試し履きすると買ってしまうのです。危険。)カンガルーレザーでスニーカーのような軽い靴です。銀座の東急プラザで買いました。このお店の靴コーナーには、素晴らしい靴磨職人がいらっしゃいます。靴に対する愛情が溢れています。この初めてのBally、初夏のサンフランシスコへの旅で履いて行きました。勿論、帰って来てから、磨いていただきました。

HERMESエルメス・正しい綴りは「E」にアクセントがつきます)で買ったのはスリッポン、名前は「milano」。薄いソールの軽いスリッポンです。これを買いたいと思ったのは、秋口でした。ちょうどヨーロッパに行く用があったので、現地での値段を調べると、ポンド建がいちばん安いこともあり、ロンドンで買うつもりで臨みました。

日曜日のロンドンのエルメス。確か、いちばん面積が大きいニューボンドストリート店。しかし店内は、中国語を話すお客さんで大童。中国語を話す店員さん以外の店員さんにも話しも出来ません。そこで、レジ担当のお姉さんのところに行きました。探しているモノのがあるんだけど、と言ったら、「私は接客できないわ、でも誰も対応できないわね。日曜はいつもこんな感じなのよ」。イギリスでの品番がわかっているので、お店にあるかどうか見てもらえないか頼みました。結果的にはイギリスのエルメスでは、僕に合うサイズが既に売り切れ。日本に戻ってから、銀座で買いました。初めてのエルメスの靴、オーストラリアへの旅に履いて行きました。

 

老舗の流儀 虎屋とエルメス

老舗の流儀 虎屋とエルメス

 

 

この2足は僕の服飾文化(!?)に革命的な影響を与えました。パンツの丈です。最近の裾上げ業界 (そんなのあるんかい!)では、「ワンクッション」」という概念が消えつつあります。脛が見えるのが嫌いなので、夏でも所謂ハイソックス(ホーズですね)を履いている僕は、今迄、トム・ブラウン(Tom Brown)のようなツンツルテン感満載なルックは、「ちょっと勘弁してねぇ、服はいいけど」でした。しかし、この2足のソールの薄い靴は、踝辺りにストンと落ちた感じの丈を要求します。そして僕は屈しました。あらゆる意味で、革命の夏でした。

第89回アカデミー賞授賞式では「La・La・ Land」主演の2人、ライアン・ゴズリングエマ・ストーンが踊っているシーンが度々、フィーチャーされていました。軽やかなステップ。2人の足元はどんな靴なんだろう。

春になり、また旅をする頃になると、新しい靴を買ってしまいそうです。

春の波濤(2)

先週末は、もう一つ、波乱がありましたね。村上春樹さんの新作「騎士団長殺し」の発売(2月24日金曜)と小沢健二さんの「ミュージックステーション」(2月24日金曜20時から放送)の出演。

あぁ、これを書くと、バブル世代の話題だからねって、言われてしまうかもしれませんが。

「騎士団長殺し」の内容とレビューは、たくさんの方々が書かれていますので、そちらをご参考に。僕はまだ読み終わってないので、ネタバレもしません。ご安心を。

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

NHKの軟派(になってしまった)ニュース解説番組「クローズアップ現代+」の2月23日木曜放送回で『新作速報!村上春樹フィーバーに迫る』 (このタイトルのつけ方、なんとかならないのでしょうか。「フィーバー」って何?)を見ました。

番組中、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」への書評に『「風の歌を聴け」を読んで、あまりのおシャンティーぶりに血の気が引きそうになったのを覚えております』とお書きになり大きな話題になったというアンチハルキスト(この名称もなんだかなぁ)が取材されていらっしゃいました。ちょっとした違和感が。いや、この方の考えについて違和感があったのではなくて、取り上げ方に、です。

風の歌を聴け (講談社文庫)

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

風の歌を聴け」って、オシャレな話かな。映画を観たことあります?あれを観ると、バブル期真っ只中に大学生から就職期だった僕でも、一世代前のことで、なんてカッコ悪い服を着ていた時代なんだろうと思っていました。「おシャンティー」とは2005年頃から使われている言葉で「オシャレ」を意味する言葉だそうですが、全く「おシャンティ」とは思えない。だって、1970年の話ですよ。全共闘世代。フライフロントの喇叭ジーパンを履いていましたよ、「僕」役の小林薫さん。映画の色調も昔っぽくて。監督は大森一樹さん。ちなみに「鼠」役は巻上公一さん。ヒカシューというテクノポップ(というかニューウェーブ系というか)バンドのボーカリスト。劇中に登場する、鼠が作った8ミリ映画を実際に撮ったのが知り合いだったこともあり、レンタルビデオ(!)を90年代に借りて観ました。

番組ディレクターとプロデューサーは、それぞれ何歳の人だろう。何かを一括りにして考えているような気がする。

「騎士団長殺し」、今週末に越前に蟹を食べにいくのですが、その道中に読むとしましょう。

 

ミュージックステーション」に小沢健二さんが20年ぶりに出演して歌うというので、正座をしてテレビの前に。ではなく、生で観るのを忘れました。今週になってから、録画を拝見。魂消た魂消た。サイモンとガーファンクル(Simon & Gafunkel)の曲、「Late In The Evening」(1982年、後楽園球場でThe Concert in Central Parkと同じセットリストで演奏した際のアンコール曲。ドラムのスティーブ・ガッドのグルーブ感の凄さに、3階席から転げ落ちそうになった思い出の曲)のイントロと間奏を引用している懐かしの「ぼくらが旅に出る理由」から続けて、新曲「流動体について」を歌うのですが、途中からこれはもしや惨劇かと思ってドキドキしました。発売前からサビのフレーズ「もしも間違いに気がつくことがなかったのなら?」の上昇メロディの裏声が微妙でしたが、生歌では、超超微妙。ネットでの反響がたくさん上がっています。神回とか言っている人は年齢がバレますよね。そうそう、叔父さんの小沢征爾さんにお顔が似てきました。

演奏もカラオケ感あったけど、ソロのギターの頑張り方、ちょっと良し。あのストラトって、昔も弾いてたヤツかしら。

流動体について

LIFE

セントラルパーク・コンサート [DVD]

フリッパーズギターのライブを見られなかったことは、バブル期最大の残念の一つです。当時、地方に住んでいたので。カッコよかったのよ。疾走感という言葉があるけど、まさにその疾走感が音にありました。

ヘッド博士の世界塔

小沢健二さんで思い出すのは、麻布十番のイタリアンレストラン(&ワインバー)、「ヴィノ・ヒラタ(VIno Hirata)」での目撃譚。深夜、テーブルを挟んで、女優の深津絵里さんが一生懸命喋っているのに、文庫本(岩波文庫の何かだっと記憶しております。よりによって岩波文庫。ハトロン紙もかかっていたような)を片手にした小沢さんは、ふんふんと何だか生返事をしていたのを目撃したことを思い出します。お目々クリクリの深津絵里さんの美しいことったら!

このお店は2階なのですが、3階には「クチーナ・ヒラタ」というイタリアンレストランがあります。ヒラタさんというオーナーシェフ(英、仏、伊がゴッチャですいません)がいらっしゃいました。「ヴィノ・ヒラタ」は、その“セカンドライン”の店ということでしょうか。

「クチーナ・ヒラタ」と言えば、メニューがなく、マダムが口頭で説明することで知られておりました。その何が珍しいって?あなた、イタリア料理のコースを前菜(アンティパスト)から、プリモ・ピアット(Primo piatto)、セコンド・ピアット(Secondo piatto)と全部、口頭で説明されてご覧なさいよ、それも25年以上前に。知らないモノばかり。だから聞いても覚えられない。マダムの口調がちょっと厳しい感じでね。余計にアガっちゃうわけですよ。なので、大体、それぞれの最初のモノを注文しちゃうのよ。

「ヴィノ・ヒラタ」は2017年の今も健在です。相変わらず何を食べても美味しい。お料理も勿論ですが、季節を生かしたドルチェも素敵です。毎度、2、3種類食べてしまいます。お店の自家製リモンチェッロ、いいですよ。最近は伺っていませんが、「クチーナ・ヒラタ」も、ヒラタご夫妻の手を離れたようですが、健在だそうです。

今日、買いましたよ「流動体について」。最近は滅多にTower Recordsに行かないので、入るだけでアガっちゃいました。カラオケで歌えるように練習しましょう。昔を思い出している曲だから、おじさんは歌わなきゃ。やはり、サビの裏声を忠実に再現しないと。

景気の袋小路感が強いせいなのか、バブル期に関する毀誉褒貶話が最近、多いように感じます(いや、別にバブル期の擁護をする立場には無いのですが)。回顧録や、秘録というかあの時には言えなかった“真相”を書いた本もたくさん出版されています。そんな中で、結果的に計ったような同時期に村上春樹さんと小沢健二さんの新作が出ました。

既に、それぞれに関して百花繚乱の程で、意見が出ています。文字通り毀誉褒貶。それはいいのです。でも批評のバックグラウンドとしての1970年から2000年までの日本、東京のことを全部ごっちゃにしているような人が多いように思います。学校の歴史の教科書で、近現代史がほんの数ページしか記載が無いから、ほとんど勉強してません、みたいな感じ。大波が来たことは知ってるけど、どんな波だったかは知らないなんて、次に大波が来ても乗ることは出来ませんよ。

春の波濤」は1985年のNHK大河ドラマ。日本の女優第一号である川上貞奴松坂慶子)を中心とした群像劇です。視聴率が低くかったことと著作権侵害裁判でも知られている作品です。やっとDVD化されたようです。ドラマ自体には特段思い入れがあるわけではないのですが、タイトルが好きな大河ドラマです。

波濤とは畝る大波のこと。そんな波に乗るには、手前に迫る波を越えてポジションを取らないと。

 

春の波濤(1)

波乱の週末でしたね。と言っても、僕自身のことではなく、第89回アカデミー賞授賞式とJリーグ2017シーズンの開幕におけるDAZNのパーフォーマンス。両方、大波乱があり、まだ余波が尾を引いています。ここでも話題にしたので、ちょっとおさらいを。

まずは土曜日と日曜日のJリーグ。鳴り物入りで始まったDAZNですが、早速ライブ配信と見逃し配信に問題があったとのこと。どんな問題だったかは、いろいろなニュースで取り上げられているので、そちらをどうぞ。以前、ライブストリーミング配信には職人技の部分があると書きました。それはトラブル対応の際に発揮されるべき技です。今回、1番大きな問題だと思うのは、問題が起きている最中に、何の対応も出来なかったことです。つまり設計上、問題が起きた際のリカバリー手段を用意していないのではという疑い。すぐに手詰まりってこと。

『配信映像へ方式変換するプラットフォームにあるスケジューリングシステムの構築誤差が起因したと予測されます。(中略)障害の対応を試みるも非常に稀な事象であったため即時復旧に至らず時間を要してしまいました。尚、中継制作による障害ではありません。』と説明したということですが、この説明、僕には意味がわかりません。視聴者に向けた説明では無いですよね。『予測されます』って、英語でエンジニアが書いたものをただ翻訳したんでしょう、と疑われちゃいますよ。また『中継制作における障害(ではない)』ってのは何のことだろう。単に責任分界点の切り分けかな。

ガンバ大阪ヴァンフォーレ甲府の試合が行われた市立吹田サッカースタジアムは、なんて言ったって、最新のスタジアムですよ。Panasonicさんがバックエンドを支えている。それぞれのチームが映像制作を担当しているJリーグの中でも設備的には、かなりのモノでしょう。そこに問題があったとすれば大変なことですからね、今後のことを考えると。

ちょっと興味深いのが、DAZN日本法人の登記上の代表者はジェームズ・ラシュトン(James Rushton)さんだけなんですって。ラシュトンさんはそもそもDAZNのCEOですよね。直近のテレビにPRのためにご出演されていたのは中村社長。そのお名前が登記上に見当たらないということを調べた方がいました。と言うことは、肩書きは社長だけど、実際の権限は無いってこと?早速、中村社長の過去のお仕事に関する話題の掘りかえしが始まっています。

AV監督の村西とおるさんの波乱の半生をまとめたノンフィクション「全裸監督」に、こんなくだりがあります。村西監督は、ビニ本全盛期、社内では会長と呼ばれていたのです。でも本当は社長です。違法な出版物を大量に頒布していた会社なので、いつ警察が踏み込んで来てもおかしくない状況。なので、その時に代表権もなく、責任がないように見えるように、その場凌ぎのために会長と呼ばせていたとか。まさか、中村社長も同じなのかしら。(別に違法なことが隠されているとか勘ぐってはいません。)

全裸監督 村西とおる伝

アカデミー賞授賞式、今年の第89回は落ち着いて生中継を観ました。作品賞の発表の大混乱は、これまたいろいろなニュースで取り上げられていましたね。New York Timesが即、Tweetするくらいの波乱。 PwC、大丈夫かしら。間違った封筒をプレゼンターに手渡したのは、PwCのブライアン・カリナン(Brian Cullinan)さん。彼が俳優のマット・デイモンMatt Damon)に似ているのは有名な話です。そしてマット・デイモンさんには今回の司会ジミー・キンメル(Jimmy Kimmel)さんと長い長い確執の歴史(笑)があることも、これまた有名な話。生中継中にも、互いに意地悪するシーンがありました。この大波乱のトラブル、まさかその流れの上にあるのでは?なんてね。

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「IN MEMORIAM」という、この1年で亡くなったアカデミー会員を偲ぶコーナー(この中でも、亡くなった方のお写真を間違えたらしいですね)があります。紹介された最後から2番目が、デビー・レイノルズ(Debbi Reynolds)さん。そして、娘のキャリー・フィッシャー(Carrie Fisher)さん。『May the force be with you.』「Star Wars: Epsode VII The Force Awaken」のあのセリフにグッと来ました。だいたい「Rouge One: A Star Wars Story」の登場シーンも本人ではないというのがすごい。改めて、レイア姫との永遠のお別れの瞬間でした。

 

 

また、不慮の事故で亡くなったStar Trekスタートレック)のチェコフ少尉役、アントン・イェルチン(Anton Yelchin)さんも紹介されます。27歳でした。次作にも出演予定だったのに残念です。最新作のエンドタイトルに入っていた 「For Anton」の文字を思い出しました。

JJ Trekのファンですので、昨年10月のオーストラリア往復の機内で、その「Star Trek Beyond」を2回、観ました。(ついでではないのですが、前作の「Into Darkness」も。何度目かしら)スコッティ役サイモン・ペッグ(Simon Pegg)さんが脚本に参加していることを、観終わってから知り、さらにうれしくなりました。機内版のため、正式な尺がわからないのですが、最初から最後まで、手に汗握って観ました。そして、「無限に広がる大宇宙」のナレーションとTV版のテーマをフィーチャーしたエンドテーマを聴いて、またもや涙しました(嘘)しかしまぁ、よりによってアメリカ横断ウルトラクイズのテーマ曲に、よくぞ選んだものです、天晴れ!(当時の)日テレ!

Mr. Spock Primeの遺品にTVシリーズのメンバーとの記念写真が入っていたり、過去とのつながりを潜ませて、世界観が拡張され、ストーリーを豊かにしていました。

 

 

StarTrekの世界は多様性そのものの世界です。地球人だけでは無く、様々な姿の異星人が街を歩いています。また今作には、Hikaru Sulu(スールー)がゲイであることが暗示され、パートナーとの間に娘がいるシーンがありました。生みの親であるジーン・ロッデンベリー(Gene Roddenberry)さんは、人種や民族や国家を超越して、白人も黒人もアジア人も乗っている、つまり全ての地球人が搭乗している宇宙船が地球を代表して、他の星系の人と出会うという、冷戦期のアメリカとしては画期的なアイディアを提示しました。そして、征服するためではなく、交渉によって互いに融和するための調査航海がエンタープライズ号の目的とされました。それは、13作目になる「Beyond」まで変わりません。そして、この思いはTrekkieの心の中にずっと残っています。

ところで、iOSクリンゴン語に相変わらず対応しているのでしょうか。

 

The Klingon Dictionary (Star Trek)

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冬の散財感想戦(2)2016年の鞄

エルメスにMallette TANAKA(マレット・タナカ)という名前の鞄があります。注文で作ってくれるモデルだそうですが、基本のモデルとして存在します。その名前からわかるように、日本人がその誕生に関わった鞄です。最近、歌舞伎俳優の中村吉右衛門さんがご愛用だという記事を見て、思い出しました。吉右衛門さんは自分なりの特注を加えたので、手元に来るまでに3年かかったとのこと。

どんな鞄か、説明するのは難しいのですが、言ってみれば、オーバーナイトバッグで、ちょっと小型のトランクの外側に、アタッシュケースの様な書類入れが着いている、でしょうか。勿論、全体が同色の革。機内持込みサイズで、最低限の着替えなどと仕事の書類を一緒に持ち歩く場合に、鞄を開いた時に全てを人目に晒さないようなものが無いので一からデザインを考えた、と聞いたように記憶しています。確かに今なら、MacBookipadを空港での検査の時に鞄から出す時に、意外に手間取ることがありますよね。それが解消できるなら、いいなぁ。

 

このタナカさんという方について、それから鞄について、記憶にあやふやなところがあるので、検索するとまずAmazon楽天で中古品63万円というのが出てびっくり。持ってた(=エルメスに特注した)人が手放したんだ。元は幾らだったのでしょう。この値付けの根拠は?どうして手放したんだろう?いろいろ訊きたくなりますね。やっぱり検索してみるものです。

タナカさんに関して、僕がもう一つ覚えているのがF1グランプリの主催者だった、ということです。皆さま、岡山県でF1が開催されたことあるって知ってました?そう、1994年のF1サーカス第2戦はパシフィックグランプリと冠されて、岡山県TIサーキット英田(あいだ)で行われました。(1995年の第15戦もここで開催されています。この2年間は鈴鹿での日本グランプリと、1国で2戦、F1グランプリが開催されていました。ザ・バブル期!)

で、そのサーキットのオーナーのタナカさんが、田中肇さんという方で、さらにAmazonKindle本で、現在の事業とマレットタナカが出来るまでの思い出をお書きだと言うことを知りました。早速、購入。いいお話です。機会があれば、お読みください。ちょっとお会いしてみたい人物です。

 

オーシャン・シルクロード

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さて、前置きがかなりかなり長くなりましたが、この冬に、私がMallette TANAKAをオーダーしたなんて勇ましい話ではありません。服好きですが、鞄と靴も大好きです。ただし、Foster & Sonで毎季、オーダーしている程ではありません。靴の話はまた今度。

まず夏以降、買った鞄はTumiのリュック、 オレンジだと思ったら(思い込んでいたら)、どちらかと言うと赤でした。六本木ヒルズの直営店で買いました。それから、ISETANで買ったPELLE MORBIDAという日本の革アイテムブランドのオレンジのトートバッグ、開店したての銀座東急プラザでグローブ・トロッター(GLOBE-TROTTER)の9インチミニユーティテリティケース、そしてコム・デ・ギャルソンの黒で四角い革のバッグ。

Tumiは9個目ですかね。他は全部、黒の革かバリスティックナイロン。長い期間の旅行は、今となっては懐かしいバリスティックモデルのキャリーで対応しております。

グローブトロッターは3個目。20インチトロリー、16インチアタッシュケース、そしてこの9インチミニユーティテリティケース、全部オレンジ色。アタッシュケースが一番古手で、確か2007年頃にロンドンのコンランショップ (Fulham Rdだったと思うのですが)で買いました。店内にポツンと放って置かれていたように見えたので、お店の人に値段を訊いたら、「これ売れないんだよね。値引きするから買わない?」と逆に訊かれた!即、買いましたよ。

トートバッグは、ボディバッグとクラッチバッグと同じオレンジ色の革で3個目。革のテイストがちょっとミカンみたいな感じが可愛い。

あっ思い出した。iPad&キーボード入れとして使ってるけど、 ESTNAITONでイタリアの オレンジのクラッチバッグも買った。 フィレンツェのGIANNI CHIARINIというバッグメーカーのセカンドラインGUMのもの。

極め付けは、コムデギャルソンの黒い革鞄。これはほぼ正方形に近い形で、大きさが大、中、小と三種類あります。小は持っていたので、大を買いました。見つけた時に買っておかないと、すぐに売り切れてしまうのです。次は中だね。いい革なのよ。表面の鞣し具合もよくって。噂では、吉田カバンとのコラボレーションだとか。青山店の限定らしいのですが、銀座のドーバーストリートマーケットで買いました。毎度、話が脱線するけど、ちょうどルイ・ヴィトンの出店(!?)があって、超素敵なコートがあった。値段を見たら、目が飛び出た。100越え!

しかし、やはり、何ですね、今の時代に合ったMallete TANAKAはどんな構造なんでしょうね。12インチMacBookとA4サイズの書類が入るパートと機内履を入れるスペースがあって、それぞれ独立して出し入れ出来るのが、僕的には最低要件だけど。トロリーにもしたいけど、そうなると大きさ的にANAスタッガードシート配列ビジネスクラスオットマン下には入らないね。色は勿論オレンジに決まっています。

こんなMallette TANAKA、オーダーしてみたいなぁ。

 

憧れのアカデミー賞授賞式

2月末のお楽しみは、アカデミー賞受賞式。日本のでは、ありません。とにかくショーとしての完成度が高い。朝9時からのレッドカーペット、そして10時からだいたい15時まで、生できっちり観ます。録画もします。夜の再放送も見ます。でも、再放送は同時通訳の音声をそのままではなく、翻訳し直した吹替え版(と記憶していますが)です。元々、台本にあるのかアドリブなのかわかりませんが、ちょっと微妙なギャグが丸められたりいるので、やはり生中継が一番面白い。WOWOWさん、ありがとう。こんな時、契約していて良かったと感じます。

丸められたギャグで思い出すのは、2010年の第82回、司会はアレック・ボールドウィンスティーブ・マーティン。アレックと言えば、太ったこともあり、トランプ大統領のモノマネでちょっとしたブームの最近。逆に、スティーブは素敵なコメディアンだけど、最近はお見かけしなくて残念。ちょうど、メリル・ストリープ主演の2009年公開「恋するベーカリー(It's Comlicated)」(しかし、この邦題はなんでしょうね。確かにパン屋さんを舞台にしたお話しでしたけど。)で共演していましたね。

 

 

2010年は「ハート・ロッカー(The Hurt Locker)」のキャスリン・ビグローと「アバター(Avatar)」のジェームズ・キャメロンが作品賞と監督賞で争っていた年。彼らは元夫婦だったので、2人の賞争いをからかって、「プリウスをプレゼントしておけば良かったのに。」というギャグが放たれました。2009年から2010年にかけては、アメリカで空前の大規模トヨタ車リコール騒動が起きていました。プリウスは暴走(と言われていましたが)事故が頻発していたので、キャメロンがビグローに事前にプリウスを贈っておけば、ビグローが事故って、アカデミー賞の場で争うこともなかったのに、というブラックなギャグ。でも再放送では、単純に「車をプレゼントしておけば」と何の意味もない会話になっておりました。

 

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トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業

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印象に残っているというか、お気に入りなのは2015年の第87回。ショーとしての予算がかかり過ぎた年だと言われている上に、視聴率がワースト2位の年。ダメじゃん。司会はニール・パトリック・ハリス。子役の時からスターだった芸歴の長いニール。トニー賞主演男優賞も受賞しています。

プロジェクションマッピングを駆使したミュージカル仕立てのオープニングパフォーマンス「Moving Pictures」の歌とダンスの5分間は最高です。アナ・ケンドリックとのデュエットで映画の素晴らしさを讃えます。途中、ジャック・ブラックがアイロニカルな歌詞で割って入るのも破壊力満点。歌詞の韻の踏み様は、これまた最高。go commandoとは「ノーパン」のことだと、僕これで初めて知りました。歌い終わって嵐のような拍手の中、これらは全てアドリブでしたと言って、笑いを取ります。おそらく、このオープニングがお金と手間をかけ過ぎた回の代表的パートでしょう。ニールは、この年のヒット作「ゴーンガール(Gone Girl)」で、レイプ犯にされ、さっくり首を掻き切られてしまうデジー役を勤めていますが、司会役はこれでクビなのでしょうか。

 

 

2011年、第83回はジェームズ・フランコアン・ハサウェイの2人の若手俳優が司会。オープニングからジェームズがスマートフォンで自撮りしながら登場し、その後もTwitterで実況中継したアカデミー賞授賞式のSNS元年みたいな年。そして2014年、第86回はコメディアンで女優のエレン・デジェネレスが司会。「最もReTweetの多いオスカーの歴史を作りたい」と舞台から降り、メリス・ストリープ、ブラッドリー・クーパーケヴィン・スペイシーたちと写真を撮り、すぐにアップ。一瞬でRT10万超え、最終的にはRT190万超という最高記録を樹立しました。受賞式のライブストリーミング中継が始まったのもこの年。僕的には「インセプション(INCEPTION)」の年でした。

 

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さて、今年、第89回は「ラ・ラ・ランド(La La Land)」が1997年の「タイタニック(Titanic)」と並ぶ史上最多の14部門ノミネートとなっています。2014年公開「セッション(Whiplash)」の監督デミアン・チャゼルの監督賞最年少受賞のタイ記録は生まれるでしょうか。(しかし「セッション」って、何か腑に落ちない映画なんだよねぇ。)

 

 

そもそも俳優でもないし、映画監督でもない。でも、あぁ、一度でいいから、受賞してスピーチをしてみたい。途中で会場全体がシーンとなって、最後に万雷の拍手、それもスタンディングオベイション!なんてのを。